不動産投資信託
マンションや商業ビル、もしくはオフィスビル等の現物不動産を有価証券に変換させて少額化と流動性を確保した投資商品です。代表的な商品として不動産投資信託(J-REIT)が挙げられます。
投資法人は投資家から集めた資金などでオフィスビルやショッピングセンターなどを取得し、賃料収入などの運用益は配当として投資家に還元されます。
投資家には、投資証券等が発行され、上場しているものであれば、証券取引所で株式と同じように売買が可能です。値動きも日々、新聞などで確認する事ができます。
証券化投資の特徴は、収入源は小口化不動産と同じくインカムゲイン(賃料収入)が主流ですが、元本や分配金の保証はされないことです。
一方、不動産投資信託は分散投資を可能にしました。このことは、不動産特有の個別性や地域性が薄らぎ、投資に伴うリスクを軽減させられます。
不動産投資信託の魅力
不動産投資信託の魅力は数多くあります。なかでも、20~70万円という比較的小額から、気軽に不動産投信ができる道を切り拓いたことの功績は大きいでしょう。
不動産を買うことは、多くの人々にとって「人生最大の買い物」といわれるほど、多額のお金を必要とするものであり、「不動産へ投資をする」ということは、決して誰にでも手の届くものではありませんでした。
しかし、不動産投資信託の登場によって、投資家は、小口化された投資口を購入するという形式で、比較的少額から、不動産に投資をすることが可能になりました。
また単独で物件を保有している場合と異なり、不動産のプロが多数の分配投資をしてくれるので、しっかりとリスクヘッジをすることができます。
これらの保有物件から入る毎月の賃料が分配金の原資となるので、収益が比較的安定しているのも大きな魅力といえるでしょう。このような魅力を一つずつみていきましょう。
不動産投資信託のメリット
不動産投資信託に投資することの最大の魅力は、この配当利回りにあると言われています。
現在は、まだファンドの数が少ないために、一概にその水準を示すことは難しいですが、例えば、現在上場している不動産投資信託の一つが公表している平成13年12月期(平成13年3月16日~平成13年12月31日)の分配金予想額は16,200円です。これを平成14年2月1日現在の時価をベースとし、年率換算すると4%台前半の利回りとなります。
但し、同法人の公表資料によると実質的な運用期間は平成13年5月23日からとなっており、この実質的な運用期間を基に同様の年換算利回りを計算すると6%台後半となります。これは、現在の預貯金の金利水準や株式の配当利回りなどと比較しても、高い水準にあると言えます。
ただし、不動産投資信託の分配金は、将来的にその支払いが保障されているとはいえません。投資口の価格もまた日々変動しているものです。したがって、この配当利回りはあくまでも予想、もしくは過去の実績としての数値になることは注意が必要です。
インフレリスクに強い
不動産投資信託では、所有する不動産自体の価値や賃料も物価変動とともに上昇する傾向があるために、このリスクは抑えられると考えられます。
消費者物価が1割上昇したからといって、必ず不動産の価格も1割上昇するとは限りませんが、一般的には、消費者物価が上昇している局面では、不動産も含めて資産価格全般も上昇する可能性が高いと言えます。
インフレによる資産の目減りは、特に中長期での資産運用にあたっては、認識しておくべき一つの大きなリスクであるため、インフレに強い不動産投資信託は、その点において優れた投資商品であると言われています。
但し、不動産投資信託の収益源となる賃料水準については、やはり不動産の需要と供給の影響を直接的には受けるため、必ずしも物価上昇に連動するというものではなく、また物件によって、その上昇の度合いなどにも格差が生じることも考えられるので気をつけましょう。