不動産投資市場

戦後の高度経済成長と相俟って大都市への人口流入が急激に進み、大都市部の地価を中心に一時の石油ショックでの調整はあったものの地価は上昇を続け、日本人に土地神話をもたらしました。
やがて過剰な期待と自信から生み出された集団陶酔がバブルを生み、バブルが崩壊すると、東京をはじめ全国の地価が下落し続ける失われた10年をもたらしました。
これまでの長期周期での地価上昇と地価下落、このような現象は、中短期で不動産市場が循環する欧米の歴史にはありません。
近年、国内でもJ-REITに見られるように行き過ぎた過熱は、市場のなかで調整・吸収される市場構造に不動産投資市場が移行しており、今後は、日本の投資用不動産の市況も調整→回復・成長→ 安定という循環型の値動きになっていきます。

景気と不動産

国内の景気回復で株価とともに地価も堅調になってきており、一部でバブルが囁かれるほど東京都心や名古屋、福岡など地方中枢都市の都心部などで急激に地価が高騰しています。
このような一部の都市内の限定エリアで地価が高騰している要因として旺盛なマンション用地の需給とともにJ-REIT、不動産ファンドによる高値での収益物件の購入が指摘されています。
収益用不動産価格の上昇は利回りの低下に顕著に表われてきており、2,3年ほど前に比べ、収益用不動産購入時のキャップレートは2ポイントほど下がっています。
さらに好立地、築浅の競争力が高い優良収益物件が不動産ファンドなどにより購入されており、ファンド間や対リートなどへの物件移転は、水面下で行なわれているため、物件情報として一般のネットなどでの公開が減少してきてます。

不動産投資に関する知識

投資を始める前に、まず自分自身を知ることが必要です。自分自身を知ることは、性格や知識、投資経験などのことです。
不動産投資に関する知識を有していることは言うまでもありませんが、いま知識がなくても、これから勉強する事は可能ですし、決して遅くはありません。
すでに、知識があると自身がある人でも、もう一度勉強し直すくらいの慎重さは必要です。必ずしも勉強で得ることができた知識や理論が実践に結びつくとは限りませんし、市況は絶えず変化していますので、細かな情報チェックも必要です。

次に不動産投資に回せることのできるお金を把握することも重要です。
一体いくらまでであれば(支出、借入金額)、生活に影響なく不動産投資ができるのかを把握することが必要です。 この場合、ある程度余裕をもって不動産投資に回すことをお勧めします。
当然、不動産投資にもリスクがつきものですので、日常生活に支障をきたす恐れがあります。

不動産業のはじまり

不動産業というビジネススタイルは、日本では江戸時代の貸家経営とその管理にはじまります。当時の貸家や貸地の所有者は商人や大地主でした。これとは別に、不動産の管理だけを仕事として請け負っていた人達がいて、彼らは「差配人(さはいにん)」と呼ばれていました。

その後、時代が進んで明治時代に民法が施行されると、個人の「仲介業者」や「不動産会社」にあたる業者が誕生しました。
「不動産」という言葉も明治時代の初期にはじめて登場しました。それ以前の封建時代に「不動産」を表す言葉として使用されたのは、「家屋敷」「地所」「家屋」などでした。「不動産」は明治以降、ずっと広い意味で使われ、社会生活や経済の中で一般化していきました。

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